!第十四回 遁甲之森(14-ed)
、匕首(短刀)を手にしている。    「この子、ひょっとして!」    李秀は叫んだ。声はかき消されて伝わらないが、萍鹤は表情から読み取って颔く。    「魔星だったのね。でも、もう动けない」    萍鹤はうつ伏せに倒れてしまった。李秀も目眩がひどくなり、うずくまる。そのとき、地面に落ちている小石を见つけた。    「これだ」    李秀は素早く小石を二つ拾って耳栓にすると、戟を振るって少年を打った。    少年の歌が止まり、ばたりと倒れた。    首を振りながら、萍鹤が言った。    「杀してしまったの?」    「まさか。あたしの戟はね、双月牙の片方だけ刃を落としてあるの。峰打ちよ」    少年の身Tから、地楽星が抜け出る。萍鹤が飞墨を放つと、森の真上に飞んで消えた。    李秀が、気を失っている少年を抱え上げる。    「この森、まだ魔星がいるのかな。あたしたちだけでもはぐれないようにしないとね」    そう言って振り向いたとき、萍鹤の姿は消えていた。